研修に参加しているのに、なぜか頭に入ってこない…。そんな経験はありませんか。講師が仏頂面で一方的に話していると、学びはどうしても退屈で受け身になりがちです。ところが、講師が笑顔で楽しそうに話し、受講者と一緒に雰囲気をつくり出すと、場の空気は一変します。
私が講師として大切にしているモットーは「楽しく学ぶ」です。学びを楽しめる環境を整えることで、受講者は主体的に考え、成長のきっかけをつかめると信じています。この記事では、その背景や実践の工夫についてお話しします。

受講者が退屈しないために必要なこと
学びの場において、講師の雰囲気は受講者の集中力や意欲を大きく左右します。たとえ内容が有益でも、講師が無表情で淡々と話していれば、受講者は「つまらない」と感じてしまい、学びは頭に残りません。逆に、講師が笑顔で語りかければ、その明るさは自然と伝染し、受講者の姿勢も積極的に変わっていきます。つまり、講師が場にどんな空気を生み出すかが、学びの質を決定づけるわけです。
仏頂面と笑顔の講師の違い
想像してみてください。仏頂面で原稿を読み上げる講師の前では、受講者は時計ばかり気にしてしまうでしょう。一方、笑顔で受講者の目を見ながら話す講師であれば、「この人の話をもっと聞いてみたい」と感じるはずです。表情ひとつで、学びの場は退屈にも、刺激的にも変わるのです。
学びの場に必要な雰囲気づくり
受講者にとって「楽しい」と思える環境は、単なる娯楽ではありません。楽しい雰囲気があるからこそ、安心して質問できたり、意見を出したりすることができます。講師が明るく前向きであることは、受講者の意欲を支える土台なのです。
「楽しく学ぶ」を実現する工夫
「楽しく学ぶ」という言葉は、単に明るく振る舞うことだけを指すのではありません。場を盛り上げるための工夫や、受講者が主体的に関われる仕組みをつくることが重要です。私自身も、講義を進める際にいくつかの工夫を意識しています。
ユーモアと実例の活用
難しいテーマや堅苦しい理論も、ユーモアを交えて話すと驚くほど伝わりやすくなります。例えば、ビジネススキルの研修であっても、日常生活に置き換えたエピソードを紹介すれば、受講者は「自分ごと」として理解しやすくなるのです。小さな笑いが生まれると場が和み、安心感が広がります。結果として、学びは記憶に残りやすくなるのです。
コミュニケーションを重視する姿勢
講師が一方的に知識を語るだけでは、受講者は受け身になりがちです。そこで私は、質問を投げかけたり、意見交換を促したりして、双方向のやり取りを意識しています。ちょっとしたやり取りがあるだけで、受講者は「自分も参加している」という感覚を持てるようになります。学びは講師の独演会ではなく、受講者との共創だと考えているのです。
講師の役割は「知識伝達」だけではない
研修講師の仕事は、単に知識を整理して伝えるだけでは不十分です。大切なのは、受講者が自ら考える力を育み、学びを継続できる状態をつくることだと私は考えています。学びを受け身の体験で終わらせるのではなく、人生に生かせるものに変えることこそ、講師の本当の役割ではないでしょうか。
自ら考える力を促す環境づくり
知識は一方的に受け取るだけでは身につきません。受講者が「これはどう応用できるだろう」と自分で考えるからこそ、本当の理解につながります。そのためには、講師が正解を与えるのではなく、問いを投げかけることが効果的です。考える習慣が身につけば、学びは自分のものになるわけです。
継続的な学びを支える意欲づけ
研修が終わった後こそが、本当の学びのスタートです。そこで必要になるのが、学び続けたいと思えるモチベーションです。楽しい雰囲気の中で得た体験は「もっと知りたい」という意欲を生み、日常の行動にもつながります。つまり、学びを楽しめる環境を提供することは、受講者が継続的に成長していくための大きな力になるのです。
まとめ
「楽しく学ぶ」というモットーは、単なる雰囲気づくりの工夫ではありません。講師が意識的に場を明るくし、受講者とのやり取りを大切にすることで、学びは退屈な作業から主体的で豊かな体験へと変わります。笑顔で学べる場は、受講者に自ら考える習慣を促し、研修が終わった後の学びの継続にもつながるのです。つまり、学びの楽しさは受講者の人生にまで広がる価値を持つということです。今後も私は、受講者が自分の力で夢や目標を実現できるように、楽しい学びの環境をつくり続けていきたいと思います。