こんにちは。「声もいい男」研修講師・野見山ともたかです。
今回は本の内容を100%記憶する必要なんてないという話です。
読んだ本を100%覚えるのはムダな労力
昔は読書スピードがとても遅い方でした。いわゆる「遅読家」です。
どれくらい遅かったかというと、約200ページの本を読むのに2日もかけていました。
そのころの年間読書量は30冊くらいだったと思います。
現在は年間平均500冊以上は読めるようになりました。
読書スピードが遅いころは本の内容を一言一句覚えようと考えていました。
実際に本の内容を全部覚えるなんて簡単にできることではありません。
あるとき、印南敦史さんの著書『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)を読んで意識を変えました。
本の内容で大切な箇所だけでも覚えようという読み方に変えたのです。
すると、読書スピードが上がり始め、それとともに読書量も増えてきました。
印南敦史さんの本を読んで、自分はいかに「熟読の呪縛」に囚われていたのかと改めて思い知りました。
印南敦史さんはもともと遅読家だったのですが、人気Webサイト「ライフハッカー」で書評記事を担当したのがきっかけで年間700冊超の多読家になりました。
印南さんは本書でこう書いています。
「すべてを頭に叩き込むことを前提とした読書」ほどムダなものはない
同じ本を何回もくり返し読んでも、100%覚えることは難しいでしょう。
読書の価値について印南さんは本書でこう語っています。
読書の本当の価値は、書かれていることの「100%を写しとる」ことではなく、価値を感じられるような「1%に出会う」ことにあります。
別に本の内容を全部丸暗記する必要はないのです。
大事なことは、本が伝えたいエッセンスをくみ取ること。
1冊を深く読むのではなく、たくさんの本から「小さなかけら」を集めて、「大きなかたまり」をつくっていく。
本書で書かれているとおり、1冊1冊のエッセンス(小さなかけら)をつなげることで自分なりの成果物(大きなかたまり)ができあがります。
それは自分の新たな知恵となるのです。
読書スピードが遅いと感じている方は、本の内容をすべて覚えようとしているから遅いのかもしれません。
意識を変えて、本のエッセンスだけでも記憶するように本を読んでみましょう。